暴力団対策法は、「構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うことを助長するおそれが大きい暴力団」として指定された暴力団の構成員(指定暴力団員)が次に掲げる暴力的要求行為を禁止しています。
 これらの行為をした指定暴力団員やそれを依頼したり、補助した者(第10条の禁止行為をした者)等には、公安委員会(警察)が中止命令や再発防止命令を出すことができます。 この命令に従わないときは、懲役刑・罰金刑に処されますので、これらの要求等を受けてお困りのときは、警察か暴力追放センターにご相談ください。秘密は厳守します。


第9条 暴力的要求行為の禁止
 指定暴力団員(暴力団員のほとんどは指定暴力団員です。)が、指定暴力団の威力を示して行う次の27種類の不当要求行為を禁止しております。
1 口止め料を要求する行為
 人に対して、企業や団体の不正な経営内容や異性問題のスキャンダル等、人に知られていない事実の宣伝又は公表にかこつけて、口止め料として金品等を要求する行為。
2 寄附金や賛助金等を要求する行為
 人に対して、寄附金・賛助金、その他名目のいかんを問わず、みだりに金品等の贈与を要求する行為。
3 下請参入等を要求する行為
 建設工事等の請負業務の発(受)注者に対して、その発(受)注者が拒絶しているにもかかわらず、下請参入、資材の納入等の受入れを要求する行為。
4 みかじめ料を要求する行為
 縄張内で営業を営む者に対して、あいさつ料、みかじめ料等名目のいかんを問わず金品を要求する行為。
5 用心棒料等を要求する行為
 縄張内で営業を営む者に対して、日常業務用の物品購入、興行の入場券・パーティ券等の購入、用心棒料等を要求する行為。
6 利息制限法に違反する高金利の債権を取り立てる行為
 金銭を目的とする消費貸借上の債務で、利息制限法に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴うものについて、債務者に対し、履行を要求する行為。
7 不当な方法で債権を取り立てる行為
 人から依頼を受け、報酬を得て又は報酬を得る約束をして、債務者に対し、乱暴な言動を交えたり、迷惑を覚えさせるような方法で訪問したり、電話をかけるなどして債権を不当に取り立てる行為。
8 借金の免除や借金返済の猶予を要求する行為
 人に対して、金銭を目的とする消費貸借上の債務や家賃、購入した物品の代金等の全部又は一部の免除や履行の猶予をみだりに要求する行為。
9 不当な貸付け及び手形の割引を要求する行為
 金銭貸付業者以外の者に対して、みだりに金銭の貸付け、手形割引等を要求し、又は金銭貸付業者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、貸付け、手形割引等を要求する行為。
10 不当な金融商品取引を要求する行為
 証券会社及び投資顧問業、投資運用業等、金融商品取引業務を営む者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、金融商品取引を行うこと又は、証券会社に対して著しく有利な条件により有価証券の信用取引を行うことを要求する行為。
11 不当な株式の買取り等を要求する行為
 株式会社に対して、みだりに自己株式の買取り又はそのあっせんを要求したり、株式会社の取締役、執行役、監査役、株主に対しその者が拒絶しているにもかかわらず、買取り、あっせんを要求する行為。
12 不当に預金・貯金の受入れを要求する行為
 銀行等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、預金・貯金の受入れを要求する行為。
13 不当な地上げをする行為
 正当に使用する権利に基づいて、建物や敷地を使用している者に対し、その意志に反して、これらの明渡しを要求する行為。
14 土地・家屋の明渡し料等を不当に要求する行為
 土地、建物を占拠したり、自己の氏名を表示したり(支配の誇示)して、所有権者、担保権者等が拒絶しているにもかかわらず、支配の誇示をやめることの見返りとして明渡し料等を要求する行為。
15 宅建業者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
 宅建業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、宅地等の売買・交換をすること、又は売買・交換・貸借の代理・媒介を要求する行為。
16 宅建業者以外の者に対して、宅地等の売買・交換等を要求する行為
 宅建業者以外の者に対して、宅地等の売買・交換をすること、又は人に対して宅地等の貸借をすることをみだりに要求する行為。
17 建設業者に対して、不当に建設工事を行うことを要求する行為
 建設業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、建設工事を行うことを要求する行為。
18 不当に集会施設等を利用させることを要求する行為
 暴力団の示威行事の用に供されるおそれが大きい集会施設等の管理者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、その施設を利用させることを要求する行為。
19 交通事故等の示談に介入し、金品等を要求する行為
 人から依頼を受け、報酬を得て、又は報酬を得る約束をして、交通事故等の示談交渉を行い、損害賠償として金品を要求する行為。
20 因縁を付けての金品等を要求する行為
 人に対して、買った商品、受けたサービスの欠陥等を口実に損害賠償等の名目で、あるいは有価証券の売買で損害を被ったと因縁を付けて損失補てんを要求する行為。
21 許認可等をすることを要求する行為
 行政庁に対して、許認可等の要件に該当しないのに許認可等をするよう要求したり、不利益処分の要件に該当するのに不利益処分をしないよう要求する行為。
22 許認可等をしないことを要求する行為
 行政庁に対して、許認可等の要件に該当するのに許認可等をしないよう要求したり、不利益処分の要件に該当しないのに不利益処分をするよう要求する行為。
23 公共事務事業の入札に参加させることを要求する行為
 国・地方公共団体等に対して、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がない者や指名基準に適合しない者を入札に参加させるよう要求する行為。
24 公共事務事業の入札に参加させないことを要求する行為
 国・地方公共団体等に対して、 国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がある者や指名基準に適合する者を入札に参加させないよう要求する行為。
25 人に対し、公共事務事業の入札に参加しないこと等を要求する行為
 人に対して、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の入札に参加しないこと又は一定の価格その他の条件で入札の申込みをすることをみだりに要求する行為。
26 公共事務事業の契約の相手方とすること等を要求する行為
 国・地方公共団体等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、自己や自己の関係者を国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の相手方とすること、又は特定の者を契約の相手方としないことをみだりに要求する行為。
27 公共事務事業の契約の相手に対する指導等を要求する行為
 国・地方公共団体等に対し、国・地方公共団体等が行う売買、貸借、請負等の契約の相手方に、下請等の発注や資材・物品を納入させるように指導・助言等をすることをみだりに要求する行為。
第10条 暴力的要求行為の要求等の禁止
 一般の人であっても、指定暴力団員に対し、第9条の暴力的要求行為をすることを要求、依頼又は暴力的要求行為の現場に立ち会ってそれを助けることを禁止しています。

第16条 加入の強要等の禁止
 指定暴力団等への加入を強要し、又は脱退を妨害することを禁止しています。

第20条 指詰めの強要等の禁止
 指定暴力団員が組織の統制違反の謝罪又は脱退を認める代償として指詰めを強要し、勧誘し、又は補助することを禁止しています。

第24条 少年に対する入れ墨の強要等の禁止
 指定暴力団員が少年に入れ墨を施したり、強要、勧誘、斡旋、資金の提供等をすることを禁止しています。

第29条 事務所等における禁止行為
 暴力団事務所の付近住民、通行人などに不安を与えるような行為を禁止しています。
 (組事務所使用での交渉の強要、組看板や代紋の掲出、その付近での粗野乱暴な行為等)